[福祉施設]新築
社会福祉法人真光会

特別養護老人ホームリバービレッジ杉並

竣工:2018.11
敷地面積 3,506㎡ /建築面積 1,985㎡/延床面積3,883㎡

敷地は第一種低層住居専用地域にあり、四周を公共の道路・通路に囲まれ、道路を挟んで北西側には妙正寺公園があるという立地にある。区営施設科学館の跡地利用として、区の事業者公募の選定を経て、事業が始まった。
 「施設利用者が地域の住民としての生活を実感できる、地域にとけこむ施設にしたい」という法人の希望を実現できる建築を目指した。公園の散歩帰りにひと休みできるカフェを公園側角に配置し、地域住民が自治会の会合等に利用できる地域交流スペースを合わせて配置。通所利用も可能な小規模多機能介護をその隣に配置した。特別養護老人ホームは2,3階に配置したが、建物の中央部に、地域住民も利用できる中庭を設け、視覚的に様々な場所がつながるようにした。平屋、2階建て、3階建て、塔屋と段々に建物高さを変え、壁面を分節し、バルコニー面にネットを張り蔓植物による壁面緑化を行い、ボリューム・視覚的にも周囲への威圧感を軽減する工夫を行った。
 小さな光庭を3箇所設け、共同生活室や廊下に光を与え、妙正寺川に架かる橋名に由来する7つの色を食堂や談話コーナーに彩色した。2階屋根に入居者用の屋上庭園を設け、容易に屋外で過ごす時間を持てるようにした。こうした日々の暮らしを豊かにする空間づくりとともに、車椅子で寄り付きやすい凸形状のテーブルや2面オープン可能な居室トイレの扉といった生活をサポートする工夫も行った。